日々是精進

日々の備忘録

弁護士の独立に関して

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弁護士の知人から「独立したいんだけど」という話を受け、ざっくりと調べてみました。

日本の弁護士の人数:3万6415人(2015年3月末)

ここ50年の弁護士数の推移は以下の通り。

2015年:3万6415人
2010年:2万8789人
2005年:2万1185人
2000年:1万7126人
1995年:1万5108人
1985年:1万2830人
1975年:1万115人
1965年:7082人

ここ10年、弁護士人口増加がかなりの伸びです。
「弁護士増えても、仕事が増えない」ので、今後どのような事態になるのか不明瞭といったお話も耳にしました。

弁護士数300名以上のTOP企業は初任給が1000万円を超えるとの事ですし、弁護士の業務は仕事を通じて勉強する事が多く、専門性を身に着けるには、仕事をするのが最善であること、事件処理は、案件ごとに異なるので、一人で処理できる事件量には限界があること等を考えると、ある程度の規模の弁護士事務所に入った方はすぐの独立はしない方がよい印象です。

仮に独立した場合に、対企業か、対個人かどちらを主軸にするかは営業力にもよりますが、仮に対企業をメインとした場合、何社程度顧問企業を持つとよいのか。

中小企業が顧問弁護士に支払う金額は
「月額4、5万円+何かあった際は相談に応じてプラスα」位でしょうか。

15社ほどクライアントを持てば年収1000万円超えそうです。

ちなみに司法試験制度も変わり、以下の3パターンあるようです。
①旧 司法試験合格者
②新 司法試験合格者 法科大学院卒業
③新 司法試験合格者 予備試験合格者

①と③は同程度の難易度と評されるとの事ですが、この辺りも独立して仕事を取る際には影響したりするのでしょうか。

ジュリナビさんの法律事務所ランキングによると、弁護士数でみた上位3社は以下の並びでした。

西村あさひ法律事務所 弁護士数:512人
アンダーソン・毛利・友常法律事務所 弁護士数:399人
TMI総合法律事務所 弁護士数:350人

ランキング200社に入る事務所の弁護士数を合計すると7333人でした。
195位(同順位あり)の事務所の弁護士数が13名。

1年のうちに何らかの法律トラブルに遭遇する人は年間1000万人を超えるものの、実際に弁護士に相談する人はその20%との事。コストもかかるのでハードル高そうと思われる人が多いようですが、2014年末に上場(マザーズ)した「法律相談ポータルサイト」を運営する弁護士ドットコムで調べて自分で解決する人(企業)も増えているのだと思います。
こちらのサイトには1万613人(2016年5月13日現在)の弁護士が会員登録されているようです。(国内の弁護士の約3割)
売上11億円、経常2.9億円(2016年3月期決算資料

サイト内には「活躍中の弁護士ランキング」があって、弁護士自らがマーケティングを頑張っている様子が見て取れます。インターネット広告を積極的に行っていると、弁護士業界ではあまり信頼されないという意見も聞いたことがありますが、この辺りは時代の流れで変わっていくところでしょうか。

企業を相手にしたお仕事と、個人を相手にしたお仕事はだいぶ性質が違うと思うので、どの領域で仕事をしたいのかにより専門性を決めて、その領域で食べていける仕事量を確保できると思った時が独立のタイミングかなと。

ちなみに弁護士資格を持っている人を企業法務として採用するという動きは弁護士増加に伴い増えているかと思いますが、上手に活用できている会社の方が少数派な印象です。