弁護士の転職について2017
ベンチャー企業で弁護士資格を持っている方が事業会社(メドレー、メルカリ、ビズリーチ)で活躍中という記事をみて、「弁護士の転職支援ってどうなのかな」と知り合いの弁護士とランチがてら伺ってきました。
弁護士に限らず転職の根本は「どう生きたいか」なので、どの道にも正解がある訳ではないと思っていますが、選択肢が増えてきている事は良い方向です。
弁護士が事業会社に参画した場合、法務以外の業務をどれだけやりたい(やっても良い)と思えるかによって、ベンチャー向きの人、大手向きの人に分かれそうです。
インタビューにあるようなベンチャー企業に向く人は、成功体験を(活かしつつも)リセットして臨めるタイプなのだと感じます。
ところで【パートナー弁護士】と【勤務弁護士(通称イソ弁)】の違いを認識出来ておらずでしたが、パートナー弁護士となると、月に40万、50万程度、会社(事務所)に支払い、売上からその支払い分を差し引いた額が弁護士個人の懐に入る形をとるとの事です。
人材紹介会社が弁護士の転職支援をする場合は、勤務弁護士か、企業の中の法務部勤務ポジションしか有り得ないことになるようです。
パートナー弁護士として、仮に1000万円の収入を得るには、(事務所に収める金額を500万円とすると)1500万円の売上を作る必要がでてきます。
どの程度案件をこなせばよいか、金額の大小をざっくりイメージしてみました。
(対企業(B2B)の業務を手がける方が、個人向け(B2C)の案件を手がけるよりも印象が良いという不文律が弁護士業界の中ではあるようですので、B2Bをイメージ)
社外取締役:月20~30万円
→2件程で年間500万円
顧問契約の企業:月3、4万円程度
→個々の相談は従量課金となり、1社あたり100万弱?とすると5社程度で500万円。
非常勤監査役や社外取締役として関わる企業を2、3社持ちつつ、顧問契約の企業を10社弱程度持てると安定しそうです。
伸びゆくベンチャー企業を青田刈り的に支援しつつ、成長後も伴走するという形がとれると両社にメリットがありそうです。
以下の【フォーサイト総合法律事務所】はIPOを目指す企業の支援に力を入れているとの事で、2016年に日経MJにも取り上げられているのを目にしました。ボス弁の方はベンチャー界隈のパイプが太そうです。
弁護士とベンチャー企業の接点は今後注目していきたいところです。
ところで【弁護士ドットコム】の業績は好調のようです。
(平成29年3月期 決算説明資料)
売上:16.5億円
営業利益:4.0億円(営業利益率も24%程度)
会員登録弁護士:1万3000人(1年前から2400人増加。3万6415人(2015年3月末))
広告宣伝費は1億6000万円(売上対比約9.6%)
一定のブランドが出来てきているようにも思えますが、広告費用を投下する必要なくなるくらいになるにはまだ時間が掛かりそうでしょうか。
また、契約をクラウド上で行える自社サービス【クラウドサイン】の導入が好調のようです。
導入企業数:6377社(野村証券株式会社、インテリジェンス、クレディセゾン、クラウドワークスなど)
日本の弁護士の1/3が会員という事で、ネットワークがあるところに人材事業ありということで、【弁護士ドットコムCAREER】事業も育成拡販予定とのことです。
2017年の6月株総以降は創業社長の元榮太一郎氏は会長に、2年前から社外取になられていた内田氏(41歳)が社長になるとのこと。
内田 陽介氏の経歴
平成12年4月 三菱商事株式会社入社
平成12年11月 株式会社アイシーピー入社
平成15年11月 株式会社カカクコム入社
平成16年6月 有限会社コアプライス (現 株式会社カカクコム・インシュアランス)取締役就任
平成18年6月 株式会社カカクコム 取締役就任
平成18年12月 フォートラベル株式会社 取締役就任
平成25年7月 オフィス内田 代表就任(現任)
平成26年12月 株式会社みんなのウェディング 代表取締役社長兼CEO就任
平成27年8月 株式会社アコード・ベンチャーズ取締役就 任(現任)
平成27年10月 当社取締役就任(現任)