日々是精進

日々の備忘録

国家資格キャリアコンサルタントの継続学習に関して

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国家資格の更新が来年に迫ってきました。
(キャリアコンサルタントの登録を継続するためには5年ごとに更新を受けることが必要)
→更新資料は登録の有効期間満了の日の90日前から30日前までの間に提出

A. 知識講習8時間以上
B. 技能講習30時間以上

普段業務でキャリア面談していると、技能は10時間免除申請可能です。

という事で、以下の時間の講習を、以下URLで探していく感じです。
知識 8時間
技能 20時間
https://careerconsultant.mhlw.go.jp/pdf/CourseInfo202001-03_0212.pdf


CCA学習マイページの知識講習8時間でお勧め表示されていた1万2000円の講座を受講。
講座の最後にレポート作成。

 

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社会、労働市場、法令、教育現場の変化に対してキャリアコンサルタントの役割と能力にも変化が生じている。変化やトレンドを理解し、対話を通じて個人に寄り添い、組織にも積極的に関わっていく事で、マルチステージ社会への適応の一翼を担うキャリアコンサルタントの見識として今回感じた事などを以下に記述する。

これまでも戦後からオイルショックまでの高度成長期と、オイルショックから2005年までの環境変化・構造調整期と、2005年から現在以降までのグローバル化・技術革新期とで30年スパンで時代を区切ってみても、大きな変化があった。

医療費の増大や、国の借金の増大、平均寿命の延びを見れば、財政的に国が厳しい事は見て取れる。国を財政破綻させないための対策の一つとして、年金受給開始年齢をかつては1986年に55歳から60歳にし、そして現在60歳から65歳へと上がり、将来的には70歳、それ以上になるだろうと思われる。

これまでは学校を出て、最初に入った会社に終身雇用という事で、特段個人は目の前の仕事、所属する会社でのみ役に立つスキルに集中する事でよかったため、他の会社でも使える汎用性のあるスキルを磨き切れていない人が多かった。

会社としては一部の優秀な方を除き、変化に対応できそうにない60歳以上のシニア層を抱えるのは中小企業を中心に難しいところが多い。自社で雇用が難しいときに、他社でも活躍ができる人が多くなっている状態を作る事が、キャリアコンサルタントに求められる役割や能力の変化に紐づいてきていると捉えている。

「2007年生まれの日本の子供は、この後107歳まで生きる」と言われている。年齢面だけを見ても、ライフキャリアの標準が変わっていく事は容易に想像ができる。個として、働き盛りの旬がすぐに過ぎ去ってしまわないように、旬が継続していくように、循環型のキャリア形成が必要となるが、そのために個人はこれまでよりも複雑な生き方の決断をしていくことになる。ある時1回だけ面談して終了という事ではなく、長期にわたってキャリアコンサルタントは寄り添っていく事ができるように、面談した記録は何十年も使われるものとしての意識を求められる。

これまでは会社が手掛けてくれていたのは単発の研修等による「能力開発」だが、これからは組織全体で計画的に実践的に個々人の成長を創っていく仕組みづくりとなるような「組織開発」が求められていく。ここにキャリアコンサルタントは長期にプロセス介入していく事が必要となる。これまでは個々人と向き合って、対話をする事が一つの役割であったが、大きな変化の枠組みを理解し、企業(経営者と人事)と協業、連動していく組織との対話が役割となっていく。

憲法13条の幸福追求権、14条の法の下に平等、25条の生存権の確保などから、労働法は大きくは①個別的、②団体的、③労働市場の3つの枠組みでつくられていて、基本的に労働者を保護するものとなっている。一方で、これまでの裁判の判例から会社側視点の理屈が通ってきていることもある事も理解しておく必要がある。
企業人事以外の多くのキャリアコンサルタントが属する人材紹介会社は、人材の需給調整を担うものとして、職業安定法を今一度認識すべき。

組合があるような会社も17%程度と減ってきている。会社が求めるのであれば、家を買った直後でも転勤を受けたり、子供が小さいうちでも毎日終電であったような、これまでの無定量、無制限の正社員の姿から、今後は正社員パラダイムからの転換期を迎えようとしている。
残業時間削減だけが独り歩きしている感もある「働き方改革」だが、大きな3つの視点は【①長期労働の是正・多様な労働、②公正な待遇、③自立型キャリア】である事を改めて認識していく。

現状での労働市場は【人手不足】であり、バブル期のそれと異なり「人口減少による構造的なもの」であるために深刻な問題。2017年の有効求人倍率はバブル期のそれを上回っている。
新卒も中途もエリアや業種によって、だいぶバラツキがある。新卒では金融やIT、大手企業への採用のハードルは高く、外食やサービスなど流通業の求人倍率は高い。中途も有効求人倍率は1.88倍だが、事務職は0.45とだぶついていたり、北海道では1.1倍とあまり高くない。これらの数字に質の面での人手不足感は反映されていない。

人手不足への対応策は【①労働条件の改善、②多様な人材の活用、③生産性UP、④人材の能力開発、⑤事業刷新】となるが、質的な人材不足には①、②、⑤で対応をしていく。給与面を改善していく事が難しい会社も多いだろうため、能力開発の環境整備を進め、「ここにいると自分が成長できる」と思われる会社とする事や、副業を推奨するなど、能力向上をメリットにしていく事が今後の組織の在り方なのではないかと感じる。
ポータブルスキルを【①専門性×②仕事の仕方×③人との関り方】と定義するならば、現在在職中の人は現職を通じて②と③を磨きつつ、①の専門性を一つではなく、複数持てるように思考、行動していく事が大事ではないかと感じる。

不安を知覚し、新しい外部との接点により視野や価値観を広げ、ライフテーマを見つける事で、キャリアトランジションが複数回繰り返されるマルチステージ社会に対応していく事が個々人に求められる。

教育に関しては、2004~2010年、2010年以降とで変化がある。端的には【何をするか(テーマ)】から【どのようにするか(方法)】が大きな変化となる。前期(2004~2010年)は知識を伝達する教育であり、後期はエンプロイアビリティ(雇用される力)に繋がるものとして【信頼できるコンパス、ナビゲーションスキルを伸ばしてあげる教育】となる。

アダプタビリティ(適応力)が大切で、①実践的、②体験的、③メタ学習(学び方の学び方)を意識してく教育方針。そして高大接続改革との事で①高校教育と②大学教育と③大学入学試験を一体化していく方針との事。
社会人や退職者が再教育を受け、それを社会に活かしていくリカレント(循環型)教育も、諸所の問題(どう生かすか、教える人がいない、コストが高い 等)があるもの、教育機関の増加など広がりを見せてきている。

初等教育にせよ、高等教育にせよ、リカレント教育にせよ、【如何にアウトプットするのか】の視点が備わる事が大切と感じる。また教育において【お金(資産)】に関する観点が盛り込まれていない点には違和感を感じる。寿命が延び、キャリアが多様化する中で、お金の話は切っても切り離せず、【お金の不安=キャリアの不安】という人は相当多いが、FP3級程度の教育を全国民にしていく事をしていく事が、キャリア観点からも必要と感じる。

日本は中小企業が圧倒的に多い。キャリアに関する働きかけをキャリアコンサルタントに求めることは勿論大切なのだが、中小企業の経営者がこの視点を持つことも大きな意味を持つ。この点への働きかけを濃くする事を、キャリア教育のPDCAに組み込みたいと感じる。

メンタルヘルス(心の健康)を考えた時に、①【個人への働きかけ】と、②【組織への働きかけ】がある。
①【個人への働きかけ】は、メンタルヘルスの問題とキャリアの問題の2軸でとらえる。両軸で問題が無いように予防していく。1次予防、2次予防、3次予防と分類すると、1次は活き活きと働くための支援、2次は気づくことによる支援、3次は復職への支援となる。
今までは1次予防の時でも、産業医等の専門家にリファーするところを、ジョブクラフティングの考え方で、対話による寄り添い、働き方の見直しの助言などにより、ストレスを無くし、ワークエンゲージメントを高めていく支援を進める。

②【組織への働きかけ】の目指すところは健康経営であり、まずは「理解する事」から始まる。理解は事例やデータを用いて課題を見つける。見つけた課題をすぐに解決するのではなく、【その課題がどのようになると良いのか?】を検討する。この目標設定が肝となり、働きかけるにしても、コンサルなのか、教育・研修なのか、業務の見直しなのか、人的配置なのかによって、誰がキーマンとなるかも変わってくる。

障害者雇用促進法と、発達障害への理解。発達障害を知ると、それを当てはめたくなるところが、安易な結び付けは行わない。キャリアコンサルタントとしては、発達障害の一般理解を進め、自身の常識にとらわれない目線を持つことが求められる。多様な人々という観点ではLBGTQが7.6%相当(分母不明)であるという目線を持ちつつ、向き合っていく事が求められる。